『世の中に我れぞ悟ると自慢して 名利求むる人の多さよ』

「昔は、謙虚で真面目な思い遣りのある人だったのにね」

「いつの間にか変わったなぁ」

先日こんな会話を耳にしました。

こう言われる人は、人から『先生』と呼ばれてる人に多い気がします。
(この場合学校の先生じゃなくて、僧侶、政治家、士業の人ね)


禅の言葉に

『世の中に我れぞ悟ると自慢して 名利求むる人の多さよ』

という言葉があります。
一休さんの言葉です。

悟った人間だと自負しても、それを持って名利を求める者がいる。
そんな矛盾を嘆いたのだと思います。
そもそも、悟りを開いたものは名誉も利益も求めない

人は立場が上になったり、権力を持ったりすると、いつの間にか『名利』つまり名誉と利益を求めるようになる。

それは人間の弱さなのかもしれません。

また、人は自分の実力以上に力やお金を持つと自分を見失うものなのかもしれませんね。

誰にでも起こる事です。

あの人は変わってしまったなんて言われないように


いつも謙虚に、初心を忘れないようにしたいと思います。

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