『啐啄同時 』(そったつどうじ)

仕事上、後輩や部下ができたりすると
『人を育てる』と言う意識が芽生え始めます。

しかし、これがなかなか難しい。

育てるより、自分がやった方がはるかに効率がいいし、そもそも、何をどう教えていいのかすらわからない

雑用ばかりやらせていたのでは、かわいそうだし、だからと言って重要な仕事を任せるのは、なんだか心配だし

でも、次第に慣れてくれば、自分から仕事を見つけて始めるものです。

それが、早く訪れる人もいるし、遅い人もいます。
でも必ずその時期が来ます。

その時が仕事を教えるチャンスなんです。

禅の言葉に

『啐啄同時 』(そったつどうじ)

卵の中の雛が今まさに孵化しようとくちばしで殻を突く、これを啐と言います。
そしてその音を聞いて親鳥がすかさず外から突く、これを啄と言います。

啐啄同時とは、雛と親鳥の、くちばしの突くタイミングが寸分くるわずにあう事で殻が割れてこの世に生まれる姿を言い表しています。

親や師匠が子供や弟子の成長を見守り、絶妙のタイミングで気付きを与える事の重要性を言い表しているんですね。

タイミングを間違えてはせっかくのチャンスを失ってしまう

せっかく暖めてきた卵を慌てて割ってもまだ時期で無ければ雛は生まれない

かと言って永遠に暖めていても生まれない


ここ1番のタイミングが大切なんですね。

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